韓国の美術アーカイブ

2019年2月23日の文化庁主催「平成30年度我が国の現代美術の戦略的海外発信に向けた関連資料の整理」成果報告会( http://www.zenbi.jp/data_list.php?g=92&d=191 )で、韓国の美術アーカイブについて、国立芸術資料院(국립예술자료원; The Korea National Archives of the Arts)を紹介しましたが、これは2010年から14年まで使われていた古い名称でした。韓国文化芸術委員会(Arts Council Korea; ARKO)芸術資料院(예술자료원; Arts Archive)と紹介するべきで、2019年3月4日、さらに名称が変わって、ARKO芸術記録院(아르코예술기록원; Arko Arts Archive)になったので、今ではこちらを紹介するべきですね。

これを機に韓国の美術アーカイブについてまとめてみました。韓国には美術アーカイブは4つあります。

1.韓国文化芸術委員会(ARKO)芸術記録院(아르코예술기록원; Arko Arts Archive)
http://archive.arko.or.kr/ [韓国語]
1979年、韓国文化芸術振興院(Korean Cultural and Arts Foundation; 1973年設立)は「芸術資料館」(예술자료관)を開館。2005年、韓国文化芸術振興院は韓国文化芸術委員会(Arts Council Korea; ARKO)に改編し、芸術資料館はARKO芸術情報館(아르코예술정보관)となります。2010年、ARKO芸術情報館は、韓国文化芸術委員会から独立して「国立芸術資料院(국립예술자료원; The Korea National Archives of the Arts)」となりますが、2014年に再び韓国文化芸術委員会の傘下となり、「芸術資料院(예술자료원; Arts Archive)」となります。2019年3月4日から「芸術資料院」から「ARKO芸術記録院(아르코예술기록원; Arko Arts Archive)」に名称変更されました。

なお、韓国文化芸術委員会は、ARKO美術館(Arko Art Center; 아르코미술관)を運営しており、そこにも現代美術に関するARKO美術館アーカイブ(Arko Art Center Archive; 아르코미술관 아카이브, 2009年設立)があるようです。NPO法人アート&ソサイエティ研究センターが編集した『国際シンポジウム 地域・社会と関わる芸術文化活動のアーカイブに関するグローバル・ネットワーキング・フォーラム』(東京都歴史文化財団 東京文化発信プロジェクト室、2013年)のリー・ヨンジュの発表「芸術活動アーカイブの社会的、教育的価値:アルコ・アーカイブ・コレクションの効果的な活用方法」にある「アルコ・アーカイブ」とは、ARKO美術館アーカイブを指しています。英語の発表原稿では、Arko Art Center ArchiveはThe Korea National Archives of the Arts(当時の名称)とは異なることに触れています(26ページ)。
https://www.art-society.com/parchive/program_learning/symposium2012/documentation_symposium.html

2.国立現代美術館 果川館 美術研究センター (Art Research Center, National Museum of Modern and Contemporary Art (MMCA), Gwacheon; 국립현대미술관 과천관 미술연구센터)
https://www.mmca.go.kr/jpn/contents.do?menuId=3010014110 [日本語]
https://www.mmca.go.kr/eng/contents.do?menuId=3010014110 [英語]
国立現代美術館は1969年にソウルの景福宮内で開館。1973年に徳寿宮石造殿東館に移転し、1986年に果川市のソウル大公園に新館を建設し移転(現・国立現代美術館果川館)。1998年に分館として徳寿宮石造殿西館に徳寿宮美術館(現・国立現代美術館徳寿宮館)を開館。2013年に景福宮近くに国立現代美術館ソウル館を開館し、国立現代美術館果川館内に美術研究センターを設置。2018年に清州市に清州館開館。美術研究センターは、韓国及びアジア近現代美術の理解と研究を目的として、2013年10月に設立され、美術資料の収集・管理・保存、研究活動支援、美術情報サービスなどの事業を推進。

3.国立アジア文化殿堂(ACC) アジア文化アーカイブ(Asia Culture Archive, Asia Culture Center (ACC); 국립아시아문화전당 아카이브)
https://www.acc.go.kr/jp/about/archive/asiaculure [日本語]
https://www.acc.go.kr/en/about/archive/asiaculure [英語]
国立アジア文化殿堂は、盧武鉉政権(2003〜08年)で光州市をアジア文化中心都市とする地域文化政策を策定したのを受け、2015年に光州に設立。同アジア文化アーカイブは、アーカイブプロジェクトで収集した「特別コレクション」、個人所蔵資料の寄贈による「個人コレクション」、国立アジア文化殿堂の記録資料を集めた「ACCコレクション」からなり、写真や画像、映像、音声、文書などを収集。

4.サムスン美術館リウム(삼성미술관 리움)も、オーラル・ヒストリーを含むアーカイブ資料を有します。「サムスン美術館 リウム 韓国美術記録保存所(삼성미술관 리움 한국미술기록보존소)」という名称のようです。

5.金達鎭(キムダルジン)美術研究所(김달진미술연구소)のキムダルジン美術資料博物館(김달진미술자료박물관)もアーカイブ資料を収集しているようです。

http://www.daljin.com/

 

1が文化体育観光部が所管する特殊法人で、美術以外にも演劇、舞踊、音楽なども対象にしています。2と3が国立施設です。2は現代美術を、3はアジアの現代文化を対象としています。4が民間施設で現代美術を対象にしています。1〜3は業務の重複があるようです。

先日の成果報告会では、2のような現代美術のアーカイブが日本にも必要だと話しましたが、本当は1のような芸術全般のアーカイブを目指すべきなのかもしれないと思いました。

こうした世界の美術アーカイブについては、3月29・30日に開かれる多摩美術大学アートアーカイヴセンターの創設記念シンポジウム「新たなるアートアーカイヴに向けて」でお話しできればと思っています。

https://k.tamabi.ac.jp/activity/kikaku/2096487/

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