美術史特講(現代)A

※下記のリストは、日本の芸術実技系の大学院修士課程の学生を対象とした、ゼミナール形式の現代美術史の授業で用いている文献一覧です。重要文献でありながらも、別の通史の授業で説明しているために、入っていないものもありますし(ロザリンド・クラウス「指標論」等)、翻訳がない文献(ジョージ・クブラー、ニコラ・ブリオー、ジャック・ランシエール等)も除外しています。日本で現在一般的に参照される版ではないものを推奨している場合もありますが、それは、あわせて配布する予定の英語版に対応させるためです。

ジグムント・フロイトミケランジェロモーセ像」渡辺哲夫訳(1914年).『フロイト全集』第13巻(岩波書店、2010年)、1-40ページ.他に『フロイト著作集』第3巻(人文書院、1969年)にも所収.

ヴァルター・ベンヤミン「複製技術の時代における芸術作品」野村修訳(1936年)[第3版].『ヴァルター・ベンヤミン著作集2 複製技術時代の芸術』(晶文社、1970年、増補1993年)、7-59ページ.第2版は『ボードレール 他五篇』野村修編訳(岩波文庫、1994年)、『ベンヤミン・コレクション1 近代の意味』浅井健二郎編訳(ちくま学芸文庫、1995年)に所収.

クレメント・グリーンバーグアヴァンギャルドキッチュ」(1939年).『グリーンバーグ批評選集』藤枝晃雄監訳(勁草書房、2005年)、2-25ページ.

ハロルド・ローゼンバーグ「アメリカのアクション・ペインターたち」(1952年).『新しいものの伝統』東野芳明・中屋健一訳(紀伊国屋書店、1965年)、21-37ページ.

クレメント・グリーンバーグモダニズムの絵画」(1961年).『グリーンバーグ批評選集』藤枝晃雄監訳(勁草書房、2005年)、62-76ページ.他に浅田彰岡崎乾二郎松浦寿夫編『モダニズムのハードコア 現代美術批評の地平』(太田出版、1995 年)にも所収.

スーザン・ソンタグ「《キャンプ》についてのノート」(1964年).『反解釈』高橋康也ほか訳(ちくま学芸文庫、1996年)、431-462ページ.

ミシェル・フーコー「侍女たち」(1966年).『言葉と物 人文科学の考古学』渡辺一民佐々木明訳(新潮社、1974年)、27-41ページ。もとになった1965年の論文の翻訳は、蓮實重彦渡辺守章 監修/小林康夫石田英敬松浦寿輝編『ミシェル・フーコー思考集成 II』(筑摩書房、1999年)に所収.

マイケル・フリード「芸術と客体性」川田都樹子・藤枝晃雄訳(1967年).浅田彰岡崎乾二郎松浦寿夫編『モダニズムのハードコア 現代美術批評の地平』(太田出版、1995 年)、66-99ページ.

ロラン・バルト「作者の死」(1968年)、「作品からテクストへ」(1971年).『物語の構造分析』花輪光訳(みすず書房、1997年)、79-89、91-105ページ.

ロザリンド・クラウス「ヴィデオ:ナルシシズムの美学」石岡良治訳(1976年).『ヴィデオを待ちながら 映像、60年代から今日へ』(東京国立近代美術館、2009年)、184-205ページ.

ロザリンド・クラウス「展開された場における彫刻」(1979年).『オリジナリティと反復 ロザリンド・クラウス美術評論集』小西信之訳(リブロポート、1994年)、214-257ページ.ハル・フォスター編『反美学 ポストモダンの諸相』室井尚・吉岡洋訳(勁草書房、1987年)にも所収.

フレドリック・ジェイムソンポストモダニズムと消費社会」(1983年).ハル・フォスター編『反美学 ポストモダンの諸相』室井尚・吉岡洋訳(勁草書房、1987年)、199-230ページ.後の版は『カルチュラル・ターン』合庭惇・河野真太郎訳(作品社、2006年)に所収.

ホミ・K・バーバ「まじないになった記号 アンビヴァレンスと権威について――1817年5月、デリー郊外の木陰にて」(1985年).『文化の場所 ポストコロニアリズムの位相』本橋哲也・正木恒夫・外岡尚美・阪本留美訳(法政大学出版局、2005年)、175-210ページ.

アーサー・ダントー「芸術の終焉の後の芸術」高階秀爾訳(1995年).『中央公論』(1995年4月)、224-237ページ.

ボリス・グロイス「生政治時代の芸術」三本松倫代訳(2003年).『表象』5号(2011年4月)、114-124ページ.

クレア・ビショップ「敵対と関係性の美学」星野太訳(2004年).『表象』5号(2011年4月)、75-113ページ.

※書誌情報と注記を追加しました(2013年4月10日)。